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自爆営業はパワハラ!企業が知るべき法改正のポイントと未然防止策

自爆営業とは?中小企業が理解すべきその実態

「自爆営業」とは、企業が社員に自社商品やサービスを購入させることを強要し、ノルマ達成を図る行為です。農協職員が共済の掛け金を自腹で支払う、自動車販売店の社員が値引き分を負担するなどの例が挙げられます。こうした行為が社員に多大なストレスや経済的負担を与え、自殺といった深刻な問題に発展するケースもあります。

なぜ「自爆営業」はパワハラに該当するのか

厚生労働省が指摘するパワハラの要件には以下の3つがあります。
①優越的な関係を背景とした言動
②業務上必要かつ相当な範囲を超える
③労働者の就業環境を害する

自爆営業は、この3要件を満たすケースが多いため、パワハラと認定されることがあります。特に、上司が繰り返し商品購入を強要するなどの行為は、明らかに労働者の環境を悪化させるものです。

厚生労働省の動向:指針改正のポイントと背景

2024年現在、厚生労働省はパワハラ防止法の指針に「自爆営業」を明記する方向で動いています。これは、過大なノルマが原因で労働者が追い詰められる事例が後を絶たないことから、未然防止を目的としたものです。これにより、企業が自爆営業をパワハラとして認識し、対策を講じることが期待されています。

中小企業に求められる実務対応とは

中小企業が「自爆営業」を防止し、健全な職場環境を維持するためには、具体的な実務対応が必要です。以下では、その対応策を詳しく解説します。

①社員の声を拾い上げる相談窓口の設置

社員が安心して相談できる窓口を設置することは、早期対応のカギとなります。特に中小企業では、社員の声が経営層に届きにくい場合があります。外部の専門機関や第三者相談窓口を活用することも一案です。

②ノルマ設定の見直し

過大なノルマは、社員に心理的・経済的な負担を強いる原因となります。現実的で公平な基準に基づいたノルマ設定を行うことで、過剰なプレッシャーを防ぎます。例えば、全社員一律の目標ではなく、職務内容や市場環境に応じた柔軟な目標設定が求められます。

③パワハラ防止研修の実施

上司や管理職の意識改革も重要な対応策です。パワハラ防止に関する研修を定期的に実施し、「自爆営業」がパワハラに該当する可能性があることを教育することで、現場の問題行動を抑制できます。研修を外部講師に依頼することで、客観的な視点を提供でき、理解が深まるでしょう。

④就業規則の明確化

「ノルマの達成を理由に社員に商品の購入を強制することを禁止する」など、自爆営業に関する規定を就業規則に明記することは、企業のリスクヘッジに直結します。また、定期的な見直しを行い、労働環境の変化に対応した内容に更新することも重要です。

⑤継続的な職場環境のモニタリング

社員満足度調査やストレスチェックを定期的に実施し、職場環境の現状を把握することも効果的です。問題が見つかった場合には迅速に対応することで、社員の不満や不安を解消し、信頼関係の構築につながります。

これらの対策を講じることで、社員の負担を軽減し、職場環境を改善することができます。結果として、社員のモチベーション向上や離職率の低下、企業の持続的な発展につながるでしょう。企業規模にかかわらず、積極的な対応が求められます。

未然防止と社員との信頼構築の重要性

企業の成長を図るためには、社員との信頼関係を築くことが最も重要です。過大なノルマや購入強要は短期的な成果をもたらすかもしれませんが、長期的には企業の信用を損ね、優秀な人材の離職につながります。厚生労働省の指針改正を受け、適切な対応を講じましょう。

自爆営業がパワハラに該当する可能性があると明確に指針に盛り込まれることは、企業にとって重要な転機です。特に中小企業では、規模が小さい分、社員一人ひとりへの負担が大きくなりがちです。これを機に、ノルマのあり方や管理体制の見直しを行うことは、健全な職場環境の構築に役立つでしょう。労働者の負担軽減を目的とした施策は、結果的に生産性や社員満足度の向上につながる可能性があります。

 

 

 

 

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