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仕事と介護の両立を成功させるための企業実務対応

仕事と介護の両立が求められる背景

最近の調査によれば、家族の介護をしながら働く「ビジネスケアラー」への支援が十分であると感じている企業はわずか1割に過ぎません。これは、育児・介護休業法が改正される20254月に向けて、多くの企業が改善の必要性を感じていることを示しています。

改正育児・介護休業法のポイント

2025年の法改正では、「介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度」がさらに強化されます。特に、社員が介護のために柔軟な働き方ができるよう、フレックス勤務や時短勤務が一層重要視されています。また、テレワークやリモートワークの活用も、今後さらに拡充される見通しです。

企業に求められる具体的な対策

調査では、すでに介護支援制度を整備している企業もありますが、その多くが「見直しが必要」と考えています。具体的には、介護を行う社員に対するフレックス勤務や、社内での介護休業制度の周知が求められています。

実務ワンポイントアドバイス

中小企業において、社員の介護離職を防ぐための支援制度の整備は、企業の持続可能性に直結する重要な課題です。特に、介護と仕事の両立支援は、育児・介護休業法の改正によりさらに注目されています。ここでは、企業が実際に導入すべき具体的な対策を紹介します。

1.フレックス勤務・時短勤務制度の導入

介護を行う社員に対して、勤務時間を柔軟に調整できる制度は、介護離職防止に効果的です。社員が介護の状況に応じて出勤時間を変更したり、短時間で働ける仕組みを導入することにより、介護と仕事の両立がしやすくなります。この際、介護を理由とする勤務時間の短縮は、法改正による義務ではなく、企業の裁量で導入できる選択肢です。しかし、フレックス勤務制度や短時間勤務制度を導入することで、社員の介護による精神的・肉体的な負担を軽減し、離職防止に大きな効果を発揮します。

2. テレワークの活用

コロナ禍で広がったテレワークは、介護を行う社員にとっても非常に有効です。リモートで働くことができる環境を整えることで、社員は自宅で家族の介護を行いながら、仕事も続けることが可能になります。テレワークを導入する際には、ITツールやコミュニケーション方法の整備も重要ですが、まずは一部の社員から試験的に導入を開始し、徐々に全社的に広げるステップが効果的です。また、介護に関連する特別な事情がある社員には、テレワークを優先的に適用するなど、個別の事情に応じた柔軟な対応が求められます。

3. 介護休業・介護休暇制度の周知徹底

法定の介護休業や介護休暇制度は、社員にとっての権利ですが、多くの中小企業ではこの制度が十分に周知されていないことがあります。まず、就業規則(育児介護休業規程)に介護休業や休暇の取得手続きや要件を明確に記載し、社員が利用しやすい環境を整えましょう。社内掲示板、定期的なミーティングで制度の利用方法を説明することで、制度の利用率を向上させることができます。また、介護休業を取得した社員に対して復職支援も提供することで、離職を防ぎ、業務へのスムーズな復帰を促進することが可能です。

4. 社内相談窓口の設置

介護に直面する社員は、日常的に多くの不安やストレスを抱えています。こうした社員を支援するために、社内に介護関連の相談窓口を設置することが有効です。社員の介護問題に関する相談に対応する仕組みを作ることで、社員が気軽に相談できる環境を提供できます。また、外部の専門家(社会保険労務士や介護の専門機関)との連携を図り、必要な支援やアドバイスを受けられるような体制を整えることも重要です。

5. 管理職への教育・研修の実施

介護を行う社員への支援を実効性のあるものにするためには、管理職への教育も欠かせません。管理職が社員の介護状況を理解し、適切な配慮や業務の調整を行えるようにすることで、社員が安心して仕事と介護を両立できる環境が作られます。例えば、管理職向けの研修を実施し、介護に対する理解を深めるとともに、介護支援制度の活用方法や実際の運用事例を紹介することで、現場での対応力を向上させることができます。

 

企業が介護支援制度を整備することは、社員の働きやすさを向上させ、結果的に企業の生産性向上や社員満足度の向上にもつながります。特に、中小企業においては、限られたリソースを効率的に活用しながら、社員が長く安心して働ける職場環境を整えることが、企業の成長と持続的な発展につながる重要な鍵となるでしょう。

 

 

 

 

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